静岡県代表の藤枝順心が鮮やかな逆転勝利で高校女子サッカー日本一の座に輝いた。全日本高校女子サッカー選手権大会は10日、ノエビアスタジアム神戸で決勝戦が行われ、藤枝順心が神村学園(鹿児島)を3-2で下し、9年ぶりとなる全国制覇を果たした。藤枝順心は前半終了時点で2-1とリードされる展開となったが、後半に鮮やかな逆転劇を見せ、過去2大会優勝の強豪・神村学園を退けた。
12月にはSDSAが福岡で主催したキャンプで米国大学の男子サッカー部コーチたちが来日したばかりだが、今回の高校女子サッカー選手権大会には、NCAAディビジョン1に所属するケンタッキー大学、アイダホ州立大学の女子サッカー部コーチが訪問し、アメリカへの留学生候補たちを視察。前評判通りのレベルの高いプレーを目にし、満足げな表情で会場を後にした。アメリカから日本の高校サッカーに注目が集まっていることは、前回の記事でご紹介した通りである。
藤枝順心高校には、SDSAがサポートを行う学生選手が在籍しており、卒業後のNCAA ディビジョン1所属大学へのサッカー留学を決めている。前述のコーチたちが見守る前で得点を決めるなど、今大会を通して活躍を見せた同生徒だが、夏にもアメリカの女子サッカー強豪大学の訪問を行っており、予てからその視線は世界を捉えていた。今大会の結果でサッカーの実力は折り紙つきであることは証明されたが、アメリカで生き残るためには、語学の習得や多様な文化の受容など、人間としての成長が不可欠である。NCAAディビジョン1の大学ともなれば、なおさら学業も疎かにはできず、学業成績でも常に結果を求められる。偉業を成し遂げた誇りと、次のレベルへ挑む緊張を胸に、新たなステージへと足を進める。
世界一と称されるアメリカの大学教育界からの熱い眼差しを受けながら、一人の若者が、日本一の座から世界の舞台へと羽ばたく。日本の女子サッカーが世界最高峰のレベルにあることは言うまでもない。しかし、であればこそ、奨学金の充実したより良い教育環境で、よりレベルの高い舞台に挑戦すべく、世界へと視線を向ける学生選手たちを、SDSAではサポートしていきたい。