1月28日(土)、ネバダ州ラスベガスでは、米国女子サッカー2部リーグにあたるWPSL(Women's Premier Soccer League)の年次総会が行われた。会場となったゴールデン・ナゲット・ラスベガスには、リーグの既存クラブや加盟を控えるクラブなど、約110クラブから幹部が集結した。和やかな雰囲気の中、会場では、今シーズンのスケジューリングや、リーグ規定に関する話し合いが行われた。
WPSLは、米国2部にあたる女子サッカーリーグだ。リーグは1997年に設立され、今年で20目を向かえる。ここへの参加クラブは、プロ選手で編成されるプロクラブと、現役大学生がメインで編成されるアマチュアクラブの2種類にわかれる。米国大学体育協会が定めるルール上、現役大学生はプロ選手と同じクラブでプレーすることを禁止されているため、プロとアマの混合クラブは存在しない。WPSLは、男子でいうところのPDLにあたるが、プロとアマの双方が加盟するという点では異なる。
WPSLのシーズンは、5月初旬から7月下旬迄の3ヶ月間。参加クラブは19のディビジョンに分けられ、各ディビジョンの上位クラブがプレーオフに進出し、全米一の座を争う。
SDSAが拠点とするサンディエゴ地区は、女子サッカーのレベルも高い。その証拠に、サンディエゴからWPSLに参戦するサンディエゴ・シーライオンズは、ここ5年間で、3度のディビジョン制覇を果たしており、そのうち、2013年には全米一に、そして昨年2016年には、全米準優勝に輝いている。シーライオンズが主体とする選手は大学生。運営次第では、プロにも勝るクラブを作ることも可能だ。
学生のうちからハイレベルな環境に身をおけるリーグ、それがWPSL。PDLほど選手へのプロモーション環境は整っていないが、直接1部クラブの控え選手達と試合ができるこのリーグは、プロを目指す学生選手にとって、これ以上にないショーケースの場ともなる。なお、WPSLには外国人選手枠に上限の規定がないことから、いずれ日本人選手を主体とするクラブが誕生してもおかしくはない。日本と米国の女子サッカー界を繋ぐ環境が整っていない今日、その需要は間違いなく高まっている。日本が米国から遅れを取らぬためにも、その一歩を踏み出せる組織の存在が不可欠だ。