ハワイ大学女子サッカー部とSDSAがハワイにてIDキャンプを共催!

2019年7月、アメリカ進学を目指す選手4名が、自らの進路を切り開く為に日本からハワイへ渡った。

 

ここで行われたのはIDキャンプと呼ばれる、ハワイ大学女子サッカー部が主催する、3日間にわたるセレクションキャンプである。このIDキャンプでパフォーマンスが認められれば、ハワイ大学からのオファーが貰える可能性がある。

 

ハワイ大学女子サッカー部はNCAA(全米体育協会)ディビジョン1、BIG WESTカンファレンスに属している。

チームには約30名の選手が在籍し、ハワイからの選手はもちろんアメリカ本土からの選手、更にはオーストラリアからの留学生もいる。そんなチームを統率しているのがミシェル・ナガミネヘッドコーチである。

ミシェルコーチは2017年度長野で開催した米大女子キャンプの際、日本人選手のリクルートの為に来日。日本人選手の技術の高さに目をつけ今後とも日本からの留学生を受け入れたいとの意向を示している。

 

今年は、ハワイ大学女子サッカー部の初の試みとして、他の大学のコーチも選手のリクルートの為にこのキャンプに参加した。オスカー・ロペス コーチはナバロ大学(NJCAA)でアシスタントコーチを任されている。ナバロ大学はNJCAAでは毎年全国トップを争う強豪校である。ロペス氏は2017年、2018年、2019年とこれまで毎年米大女子キャンプの為来日。日本人選手の将来の可能性を見出し、ナバロ大学で2年間のプレーの後、選手達が強豪校に編入し活躍できる環境を整えられるようなサポートを目指している。そしてもう1人はステファニー・ビール コーチ。彼女は今年からサンディエゴ・パルセイロ・レディースWPSL/米国2部リーグ)のヘッドコーチを担い、更に2019シーズンからミラマー大学のヘッドコーチに就任し、今まさに大学シーズンに向けて準備を進めているところだ。彼女もまた、日本人選手の高い技術や可能性に目を向けており、今後アメリカに挑戦したい日本人選手へサンディエゴ・パルセイロ・レディースとミラマー大学を通しての成長の機会を提供していく意向である。

 

 

ここからはキャンプ当日の様子をご紹介。

 

〜キャンプ1日目(7月19日)〜

 

14:50《選手チェックイン》

ハワイ大学サッカーフィールドに各選手が集合。各自チェックインを行い、その際にハワイ大学のTシャツを大学側から提供して頂いた。

 

15:00 《キャンパスツアー》

まずはコーチ陣によるキャンパスツアー。学生たちが普段どんな施設を使用し生活しているか実際に見ることが出来、選手達はアメリカの大学スポーツの規模の大きさに圧倒されたようだった。

 


16:00 《セッション1開始

快晴の中、セッション1が開始。今年の参加人数は42名。参加希望の申込数が多かった為、参加の出来ない選手もいたとの事。ハワイ出身の選手のみならず、本土から参加をしていた選手もたくさんおり、ハワイ大学の人気と競争率の高さが伺えた。

日本からの選手達には緊張が見られ、全て英語で説明されていくセッションを懸命に理解しようとする姿が見れ、とても良い経験になったはずである。

19:00《セッション1終了》

序盤は日本からの選手達にも戸惑いが見れたものの、ひとたびボールを蹴り始めると周りの選手ともコミュニケーションが取れ、サッカーを通した国際交流を実感できたキャンプ初日となった。

 

 

〜キャンプ2日目(7月20日)〜

 

08:00《セッション2開始》

2日目も晴天に恵まれセッションが開始。11対11のゲーム形式などがここから組み込まれ、実際のゲームシチュエーションでどのようなプレーが出来るか、各選手が評価された。

 

10:30《セッション2終了》

キャンプ2日目は午前と午後に渡る2部構成であったため、ここで一旦セッションは終了。各自昼食休憩を取る。ハワイ大学はワイキキの中心街から車で10分ほどである為、アクセスも大変良い。選手によってはホテルに戻り休憩をしたり、ワイキキで昼食を取ったりと自由にリフレッシュできる時間を過ごせた。

 

 

15:00《セッション3開始》

ここから室内のレクチャーホールに移動し、約1時間に渡り、コーチ陣から今後の進学の流れや、入学してからの学生生活に関して話をして頂いた。参加選手達は「アメリカの大学に入るという事は、サッカーだけしていれば良いわけではなく、勉学にも励み、文武両道を志さなくてはいけない」という事をコーチから直々に聞き、気が引き締まったようだった。

更にはこの大学で重視されているのは人間性であるという事であった。ひたむきに頑張れ、しっかりとした目標を掲げられ、協調性を持ってチームの一員でいられることが大切であるとのこと。

アメリカ人の選手達でさえ、しっかりと勉強をしなくてはいけない大学生活。そんな中、語学というディスアドバンテージがある留学生が同じ土俵に立つにはそれなりの努力が必要だ。確かに大変なことかもしれないが、その努力の先に得られるものは計り知れないものである筈なので、今回日本から参加した選手達には頑張ってもらいたい。

 

17:30《セッション3終了》

1時間ほどのレクチャーを終えた後は再びフィールドに出てセッションを受けた。各ポジションごとにエリアを分かれ、別メニューをこなしたりと、実際に大学で行われている練習をコーチから直々に指導して頂けるまたとない機会であった。

 

〜キャンプ3日目(7月21日)〜

 

 

08:00《セッション4開始》

最終日となる3日目。ゲーム形式をメインにセッションが進められた。

セッション中に行われたのが、ミシェルコーチとの1対1の面接だった。今回のキャンプでの評価として良かった点や改善点等を教示して頂き、

短い期間の中でしっかりと各選手をしっかり見ているハワイ大学のコーチ陣の丁寧さや責任感を感じられる瞬間であった。

 

 

10:30《セッション4終了》

無事全てのセッションが終了。コーチ陣によると、今年度のIDキャンプは過去で一番レベルが高かったとの事であった。

その中でも日本からの選手達は、別のスタイルでプレーするアメリカ人選手に囲まれ、試行錯誤しながらパフォーマンスの向上に努めた。アメリカという女子サッカー大国の同世代の選手に対し、自分の何が通用し、また通用しないのか、それを学ぶことが出来た貴重な機会であった。またそれが今後アメリカ進学を目指す上での準備へと繋がる事は間違えない。

 

今回、日本から参加した日本人選手も各自収穫があったようだ。

以下の動画で参加選手をインタビュー形式で紹介。

この3日間はハワイという、日本とアメリカ本土の中間にある地で、サッカーが出来、新たな文化や価値観に触れ、たくさん経験が出来る大変恵まれた環境であった。

どの国の出身であろうと、今回キャンプに参加した未来ある選手の頑張りがこのような機会を通して未来へ繋がっていく事を願いたい。

彼女たちが支えていく、世界の女子サッカーの未来がとても楽しみだ。